瞑想をすることで気分を落ち着かせたり、脳を休ませることができるのはわかったんだけど、瞑想ってどうやってやればいいんだろう・・・?
という方に向けて瞑想のやり方について解説します!
瞑想を行うと、ストレスレベルが下がったり、集中力が高まったり、脳の疲労が取れ、脳機能が改善したりします。(瞑想の効果について詳しく知りたい方は、瞑想の効果を解説をご覧ください。)
でも、瞑想の正しいやり方は意外と知られていません。
この記事では、瞑想のやり方が分からない方向けに、瞑想の正しいやり方をお教えします。ぜひこの記事を読んで、日常に瞑想を取り入れ、日々の生活を改善してみて下さい。
科学的な瞑想の手法、マインドフルネスとは
瞑想は宗教的な行いやスピリチュアルなものとして古くから行われているため、たくさんのスタイルのものがあります。例えば、日本でもお寺で坐禅という形の瞑想があるのはご存知だと思います。
この記事では、そういった宗教的なものではなく、「マインドフルネス」という瞑想をご紹介します。
マインドフルネスとは
マインドフルネスは、瞑想から宗教的な考えを切り離し、科学的に捉え直したものです。脳科学の観点から2000年代から研究が行われていて、その効果の高さから近年注目され始めています。
「マインドフルネス」とは一体何かと言うと・・
マインドフルネスとは、今、目の前の瞬間に注意を向けている状態のことを呼びます。
空想にふけったり、ぼんやりと考え事をしたりなどの「心ここに在らず」な状態とは反対に、不安やストレス、プレッシャーを感じずに、現在の活動に取り組めている状態のことや、そのような状態に向かうことを指します。
簡潔に言うと、マインドフルネスとは「今この瞬間に集中している状態」です。
目の前に集中すれば、不安が消える
「今、この瞬間に集中している状態」の何が凄いかというと、不安が消えて、今を楽しむことができるからです。部屋の片付けをしている間、スポーツやゲームに熱中している時など、何かに集中していると、不安が無くなる感覚をもった事がある方も多いのではないかと思います。
人間は不安を感じるように作られています。なので、普通に暮らしているだけで不安を感じたりします。「あんなことやこんなことが起こったらどうしよう・・・。」と考えるからこそ、人間は事故が起こらないよう対策したり、前もって準備をすることができるわけです。
確かに、大昔は外敵に襲われる可能性があり、不安を感じることが生命に取って重要な能力だったのかもしれませんが、今は寝ている間に猛獣に襲われることなんて滅多にありませんよね。
現代では、不安を感じる能力はそこまで重要でなくなってきています。この不安を感じる脳の働きを抑制する方法として、「瞑想」が注目されています。
マインドフルネスは科学的に効果が認めらている
マインドフルネスは、医学的な論文が多数存在し、実用的な効果が認めらています。
例えば、ストレス低減や、うつへの対処法としてマインドフルネス瞑想が実際の医療に応用されていたり、GoogleやFacebookなどのテック企業が、業務の効率性改善の目的で就業時間にマインドフルネスを取り入れていたりします。
Googleは世界のトップ研究者が集まる科学者集団ですが、彼らがマインドフルネスを教える社内講座を開いているということが、瞑想がビジネスマンにも効果的であることを示していますよね。
Googleが行なっている講義の内容は、サーチ・インサイド・ユアセルフという本で詳しく紹介されていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。
瞑想の基本的なやり方
瞑想を行うときの基本的な考え方は、「今、この瞬間に集中する」ことです。
現在に集中する訓練を日常的に行うことで、他の事に気を取られることがなくなり、集中力を高めることができます。
人は無意識のうちに、目の前の状況とは関係のない事を考え始めます。例えば、授業を聴きながら「今日のご飯はなんだろうな」とか、仕事をしながら「そういえば部屋の電気消し忘れちゃったかも」のような考え事をしてしまうことがよくあると思います。
この無意識の考え事を止めることで、脳のエネルギー消費の内、約70%を占めるDMN(デフォルトモードネットワーク)と呼ばれる脳の部位を休ませることができます。
呼吸に集中する方法
具体的には、どうやってDMNの活動を休ませることができるのかというと・・
最も基本的な瞑想のやり方は、呼吸に集中するやり方です。
簡単な瞑想のやり方を3ステップで紹介します。
- 静かな場所で、椅子か床に座る
- 目を閉じて呼吸に集中する。ゆっくりと息を吸い、ゆっくりと息を吐く
- 考え事が浮かんで来たら、呼吸に意識を戻す
座り方や呼吸の長さは、自分の心地良いと感じるやり方で問題ありません。
ポイントは、呼吸に集中し、雑念が浮かんできたらそれに気づくことです。「今、雑念が浮かんできたな」と感じたら、もう一度呼吸に集中し直しましょう。
まずは1日5分から、慣れたら10分〜20分程度
呼吸に集中するなんて退屈だな…と感じるかもしれません。
まずは、5分程度の瞑想から始めてみましょう。
慣れたら1日10分から20分程度行うと効果的と言われています。
最初は呼吸に集中するのが退屈で、すぐに集中が途切れてしまうかもしれません。日常的に続けていくと、瞑想にしっかり集中することができるようになり、長時間続けられるようになります。
確かに、最初の1,2ヶ月は辛く感じるかもしれません。でも、3ヶ月ほど続けると、瞑想の効果が如実に現れてくるので、歯を磨くのと同じように習慣にすることできます。
脳には可塑性(かそせい)があるため、瞑想のトレーニングを習慣にすることで、脳の構造が変わると言われています。
脳は、訓練によって新しい環境に適応することができているので、瞑想を習慣的に続けることで、集中状態に入りやすい脳に変わります。
現在に集中できれば、呼吸以外でもOK
集中する対象は、呼吸でなくても問題ありません。
目を開けたままでも、雑念が浮かばないようにできれば大丈夫です。
例えば、歩きながら自分の歩行に集中したり、ロウソクを立て火に集中する。でもOKです。出来るだけ、単調でシンプルな活動を選びましょう。
身体の感覚に集中するボディスキャン瞑想
実は、呼吸に集中するやり方の他にも様々な瞑想方法があります。
その代表例がボディスキャン瞑想です。
ボディスキャンとは
ボディスキャン瞑想とは、身体の感覚に集中する瞑想方法です。具体的には、横になり、頭の頂点から肩、腕、手のひら、お腹、腰、お尻、ふくらはぎ、足首、足の裏まで上から順に身体の感覚に集中します。
こうやって身体を上から下まで「スキャン」するように感覚を感じることで、体の緊張をほぐします。
一度やってみるとわかりますが、ボディスキャンをすると不思議と眠気を感じます。体の緊張がほぐれてリラックスできるため、毎晩の習慣にしてみるのもおすすめです。
ボディスキャン瞑想のやり方
- まずは、ベッドや布団に仰向けになって寝ます。
- 目を閉じて、ゆっくりと呼吸を始めます。
- 一度、手を握り締め、体全体を布団に押し付けるよう、ぎゅ〜っと力を入れて、力を抜きます。これを2,3回行い、体のこわばりをほぐします。
- 次に、頭の感覚に集中します。頭が枕と触れている感覚や頭が痒いなとか、今日は頭が軽く感じるななど、ゆっくりと呼吸を続けながら、頭の感覚を意識します。頭が緊張していると感じたら、2,3秒ほど頭にぎゅ〜っと力を入れ、離します。
- だんだんと頭が重くなってくるような感じがしたら、次に進みます。
- 次に、肩の感覚を感じます。肩が布団に触れている感覚、腕まで血液が流れていく感覚、肩が凝っているな感じ、反対に調子がいい感覚などを感じます。
- 肩が緊張していると感じたら、肩にぎゅ〜っと力を入れ、離します。
- この調子で、足の裏までボディスキャンを続けます。
ボディスキャンを行うことで、体の緊張に気づきやすくなる
普段の生活で、自分の身体が緊張しているかどうか、確認することはあまりないと思います。ボディスキャンを行うことで、身体の不調に気づきやすくなります。
今日は足が重いなとか、肩の調子がいいなということが、自然とわかるようになります。
身体と心は繋がっており、身体の緊張が和らぐと、心も穏やかな気持ちになります。実際に、ボディスキャンを行なった被験者は副交感神経が優位になり、心拍数も落ち着いてきます。
心の中身を書き出す瞑想 ジャーナリング
ジャーナリングは他の瞑想とは少し毛色が違います。ノートとペンを用意して、椅子に座り、自分の感情を書き出すのがジャーナリング瞑想です。
他の瞑想は呼吸に集中するものが多いですが、ジャーナリングでは自分の心の感情の動きに集中します。
ジャーナリングとは
ジャーナルとは日本語で「日記をつける」という意味です。ジャーナリング瞑想は、普通の日記とは違い、あなたの心の中の感情をストレートに言葉にして書き留めていきます。
日記はその日に起こったことや体験したことを面白く書くものですが、ジャーナリング瞑想では今感じることをありのままに書いていきます。
自分のための日記
人が文章を書くときには、誰か読み手がいて、その人のために書きます。言葉遣いに気をつけたり、読みやすい文章に工夫したりします。
しかし、ジャーナリング瞑想では、自分の心の中をありのまま言葉にして書き出します。何かメッセージのある文章を書く必要もありませんし、一つの話題にこだわる必要はありません。今、心で感じていることを、ただ書き出していきます。
もし、書くことが思い浮かばないなあと思ったら、「書くことが思い浮かばないなあ。」と書きます。
頭の中で考えてから書くのではなく、感じたことをそのまま紙に書き出していきます。
ジャーナリング瞑想のやり方
ジャーナリング瞑想のやり方を紹介します。
- 白紙の紙やノートとペンを用意します。
- 左上に、テーマを書きます。テーマはなんでも構いませんが、疑問形で書くと自分の気持ちを書き出しやすくなります。
- 例えば、「今、感じていることは?」「今日はどういう一日だった?」「なぜ、今日は疲れているのだろう?」などです。
- テーマに対して、3分間、筆を止めずに自分の感情や考えを書き続けます。
- 途中で考えが浮かばなくなってしまっても、ただ書き続けます。
- これを3つのテーマに対して、合計で10分間行います。
お疲れ様でした。
瞑想のやり方に関するよくある疑問
瞑想のやり方を簡単に説明してみましたが、瞑想のやり方についてよく聞かれるので、質問に回答します。
瞑想は朝にやるのがいいの?
瞑想はどの時間帯に行なっても問題ありませんが、瞑想は定期的に行うことで効果があります。
なので、なるべく毎日、瞑想を続けられる時間帯を選ぶと良いでしょう。例えば、朝、歯を磨いた後や、昼食後など、何か習慣的に行うことの前後に行うと、習慣化しやすいです。
夜にスマートフォンをよく使う方は、寝る前に瞑想を行うのもおすすめです。瞑想を行うことで、脳の興奮を抑えることができるため、睡眠の質が良くなります。
瞑想をやるときはどんな姿勢?
瞑想を行うときには、背筋を伸ばし、呼吸しやすい姿勢をとると良いです。
とはいえ、背中に力を入れすぎる必要はありません。
また、仰向けに寝たり、あぐらをかいたり、椅子に座ったまま瞑想を行なっても構いません。
瞑想中に寝てしまってもいいの?
瞑想を始めると必ず寝てしまうという方も中にはいます。
瞑想中に寝てしまうこと自体は、悪いことではありません。少し昼寝をすることで、脳の疲れが取れ、また集中できるようになります。
仰向けで行うとそのまま眠ってしまいやすくなるので、瞑想中に眠りたくない方は、椅子や床に座った状態で瞑想を行いましょう。それでも寝てしまうようでしたら、睡眠不足かもしれません。
呼吸はどうやってやったらいい?
呼吸はゆったりと、リラックスできるように行いましょう。
鼻が詰まっていなければ、鼻から息を吸うと良いでしょう。
呼吸の長さに正解はありませんが、4カウントで吸って、8カウントかけて吐く(1:2の長さ)で呼吸を行うと、セロトニンが分泌され、自律神経を整えることができるため、よりリラックスできます。
瞑想を行いながら聞く音楽のおすすめは?
瞑想を行う場合には、リラックスするために音楽を聞くのも一つの手です。呼吸に集中するために、歌詞が無い落ち着いた曲を選んでみてください。
ピアノの曲や環境音(波音や火が燃える音など)、ホワイトノイズなどがおすすめです。
瞑想のやり方がわかる本
瞑想を本格的にやってみたい方や瞑想そのものに興味がある方は、書籍で正しいやり方を一通り学んでおくと、より効果的に瞑想ができるようになります。(とはいっても、本を読むのは疲れるので、頑張りすぎなくて大丈夫ですよ。)
マインドフルネス瞑想入門か、世界のエリートがやっている 最高の休息法が読みやすく、瞑想について体系的に書かれているためおすすめです。
オーディオブック版のAudible版はこちら。通勤中や散歩中など、片手間に本を聞けるためおすすめです。
瞑想に関するおすすめの本は、【2020年版】瞑想の本のおすすめランキング【科学的な書籍を厳選】でも紹介しています。
瞑想のやり方がわかる動画
瞑想のやり方について簡単に知りたい方は、Daigoさんの動画がわかりやすいです。科学的に瞑想のメリットについて分かりやすく語られているので、本を読むのが苦手な方は無い方は一度チェックしてみてください。
瞑想をやるならアプリがおすすめ
瞑想を継続するならアプリがおすすめです。
アプリを使えば、瞑想中に聞く音楽や環境音が聞けたり、習慣のために毎日決まった時間に通知してくれたりします。海外ではCalmというアプリが人気です。日本では、日本語に対応しているMeditopiaがおすすめです。
瞑想用の音声に限らず、本を読書してくれたり、優しい声で体の緊張をほぐしてくれるような睡眠導入のための音声も聞けます。
瞑想のアプリのおすすめは、【実際に使ってみた感想】おすすめの瞑想アプリを紹介します!で紹介しています。
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